月に雁ってどんな切手?

切手趣味週間に発行された切手の中で人気の絵柄といえば「見返り美人」が有名ですが、見返り美人の翌年に発行された切手趣味週間で、見返り美人と並んで有名な切手と言えば「月に雁」ではないでしょうか。

今回は、この月に雁の歴史や相場価格などを開設します。月に雁の現在の市場価値は、どのくらいの価格なのか、楽しみです。

1.月に雁はどんな切手?

月に雁は、見返り美人が発行された翌年の1949年(昭和24年)に発行された、切手趣味週間の絵柄です。前年に発行された見返り美人の大ヒットを受けて、翌年に発行された月に雁も浮世絵の絵柄が採用されました。

月に雁の作者は、江戸時代の浮世絵師として知られる安藤広重。ゴッホやモネなど、世界的に有名な画家に影響を与えたとされており、世界的にも有名な浮世絵師です。安藤広重を代表する言葉として「ヒロシゲブルー」と呼ばれるものがあります。

これは、西洋で安藤広重の絵を評価する際に、その鮮やかな青色の美しさを例えた言葉であり、19世紀後半の「ジャポニズム」の流行を生んだ一因ともいわれています。

そんな安藤広重が描いた月に雁が絵柄となっている切手は、戦後の切手趣味週間で発売されたシリーズの中では、最高傑作と称されることもあり、現在でも切手収集化の間では、人気の高い記念切手として知られています。

2.月に雁は高く売れるの?

月に雁は、今でも高値が付く記念切手として知られています。最もブームだったのは、いわゆる「切手ブーム」が巻き起こっていた昭和30年代~40年代にかけてです。保存状態のよい物は6万円~7万円の値段がつけられることもありました。

ちなみに、この時代の大学卒業の初任給は、2万円~3万円ということで、月に雁がどのくらい高く売られていたのかおわかりいただけるでしょう。

そこからは、月に雁の価格は2万円前後の価格で推移してきましたが、現在は若干下がっており、1万円を切るくらいの価格が相場となっているようです。

背景としては、切手人気が低迷し、そもそものニーズが少なくなったこともありますが、月に雁の発行枚数にあります。当時、月に雁は200万枚発行されたとされており、当時としては決して少ないわけではありません。

当時の記念切手の発行枚数は、大体50万枚~500万枚ずつ発行されており、月に雁は平均より若干少ないながらも、普通に考えたら多い枚数が発行されています。

では、なぜ月に雁が高値となっているのかというと、希少価値よりも、その絵柄の人気や知名度で、ニーズが増えたことから相場価格が上がっていったという、代表的なタイプの切手となります。

そのため、切手を欲しいと感じる人が減っている現在では、相場価格は年々下がっており、今後もさらに下がることが予想されている記念切手の1つです。

3.月に雁を高く売るためのコツは?

月に雁切手を持っている場合、なるべく高く売りたいというのが心情でしょう。では、月に雁をなるべく高く売るためには、どのようにすれば良いのでしょうか?方法は大きくわけで2つあります。

1.なるべく早く売る

2.切手買取業者に依頼する

それぞれ解説しましょう。

3-1.なるべく早く売る

先述したように、月に雁は決して希少価値の高い切手というわけではありません。むしろ、発売当初はそんなに高い人気があったわけではなく、売り残った郵便局もあったと言われています。

見返り美人もそうですが、月と雁も切手ブームに乗じて人気が高くなり、価格が高騰した切手なので切手を集めたいという人が減れば、その分市場での相場はどうしても安くなってしまいます。切手ブームは、昭和30年代~40年代に、若者を中心に起きたブームなので、現在の40代後半~60代の方がブームの中心です。

この中で、まだ切手を収集している方は一部であり、当時手に入れられなかった切手を大人になって購入している人が多いという背景があります。なので、月に雁を高く売りたいならば、なるべく早く売る方が、値段は下がりにくいでしょう。

発行枚数が少ない切手は、年が経てば経つほど希少価値は上がっていくのですが、月に雁は当時で200万枚発行されたこともあり、決して希少価値が高いものではありません。

また、切手自体、保管が難しいものとなるので、経年劣化による色あせやシミがあると、切手の価値が下がってしまいます。月に雁をなるべく高く売りたいならば、なるべく早く売るというのが、鉄則です。

3-2.切手買取業者に依頼する

なるべく早く売るときは、売り先も重要です。より高く売れる可能性があるのは、ヤフオクなどのオークションサイトですが、最近のオークションサイトでの月に雁の価格を見ていると、相場よりも若干下がっているように感じます。

それこそ、4000円~5000円程度で取引されていることもあり、売り手側の知識がないことにより、値崩れが始まっているのでしょう。そこで、月に雁を高く売る場合、最もおすすめなのは「切手買取業者」に依頼することです。

切手買取業者のほとんどは、出張無料で自宅に査定まで来てくれます。直接売りたい切手を見てくれるので、色あせやシミの有る・無しを判断し、総合的に価格を算出してくれます。

基本的には、相場の価格から大きくズレることはないでしょうが、発売された年式や、希少価値のある絵柄なども見逃さず査定してくれるので、あなたが切手に無知でも、正しい相場価格で買い取ってもらうことができるのです。

4.月に雁を高く売る方法は?

月に雁を高く売るなら、少し手間ですが複数の業者に査定をしてもらうという方法がおすすめです。よくあることですが、同じ切手でも買取業者よって査定価格が違うということは多々あるのです。

というのも、切手というのは相場はあれど、基本的には販売価格が明確にされているものだからです。複数の業者に査定に来てもらい、一番高いところを選ぶというのが、最も高く月に雁を売る最適な方法なのです。

ただし、査定価格が倍以上変わるということは考えにくいので、査定買取員の対応や業者の雰囲気などを重視して選ぶことも、決して悪くはありません。

最も重要なことは、あなたにとって一番良い業者さんを選ぶことです。そのような観点を持つと、自然と月に雁を最大価値で買い取ってくれる業者に出会えるのではないでしょうか。

まとめ

切手記念週間で販売された、月に雁についてご紹介しました。前年に発売された見返り美人の人気を受けて、浮世絵が絵柄に使われ、世界的に評価の高い安藤広重の作品だったこともあり、切手ブームが訪れた昭和30年代~40年代にかけて、一躍大人気となった切手でした。

当時は、60000円以上の価格が付いたプレミア切手の代表格でしたが、現在では10000円前後の価格で取引されることが多いようです。年々相場価格は下がっている傾向にあるので、月に雁をなるべく高値で売りたい人は、なるべく早く売るようにすると良いでしょう。

オークションサイトでは、見返り美人に比べ、値崩れが大きく、4000円~5000円程度、保存状態が悪いと1000円前後で取引されているケースも多々見かけます。これは単純に、市場でのニーズが少なくなっていることはもちろんですが、売り手の知識の浅さを逆手に取られている場合があります。

このように損をしないためにも、まずは切手買取業者に依頼し、相場価格を聞いて、査定してもらうことが重要となります。月に雁を高く売りたいならば、なるべく多くの切手買取業者に依頼し、査定してもらうとよいでしょう。