【切手趣味週間】全10種の解説・買取相場・価値一覧

「切手趣味週間」をご存知でしょうか?切手ブームを経験した方にとっては「懐かしい!」という感じでしょうね。一方、若い人にはあまり知られていない切手趣味週間。今回は、この切手趣味週間について、ご紹介します。

1. 切手趣味週間はどんな切手?

「切手趣味週間」とは、1947年からスタートしたもので、切手趣味の普及を図る目的で設けられました。

現在は、日本の郵政記念日である4月20日を含む1週間が切手趣味週間として、毎年設定されています。切手趣味週間では、毎年オリジナルの記念切手が発売されることでも知られており、多くの切手マニアは毎年楽しみにしている1週間でもあります。

2.切手趣味週間は高く売れるの?

切手趣味週間で発売された記念切手は、結論から言えば高く売れる物とそうでない物の差が激しい記念切手であると言えます。例えば、発行当時から高い人気を誇った、見返り美人や月に雁といった切手は、数万円単位での取引されることもあります。

特に、1940年代~1950年代の前半に発行された切手は、プレミアがついているものが多く、高値で買い取ってもらえる可能性が高い切手であり、使用済みであっても売れる可能性がある切手であると言えるでしょう。

3.切手趣味週間一覧

これまで、切手趣味週間では50種類以上の切手が発行されています。今回は、中でも有名な切手を10種類、ご紹介します。

3-1.1947年 葛飾北斎「山下白雨」の富士

切手趣味週間がスタートした、1947年に発行された記念切手第1号が、葛飾北斎が描いた「山下白雨」の富士が描かれた切手です。実際の浮世絵は黒と茶色で描かれていますが、この記念切手は青色で印刷されています。

まだまだ印刷技術が未熟な時代だったため、同じ切手でも色の濃淡が違うものが多く、それによって査定価格が変わってくると言われています。現在の買取価格は、保存状態の良い物で1シート500円前後で取引されています。

3-2.1948年 菱川師宣「見返り美人」

切手趣味週間で発行された切手の中で、トップの人気を誇るシリーズがこの見返り美人です。浮世絵師の祖として有名な菱川師宣が書いた見返り美人が採用された切手です。見返り美人の特徴は、その綺麗な絵柄はもちろんですが、切手としては珍しいサイズだったことです。

一般的な切手に対してかなり大きなサイズとなり、物珍しさもあって当時話題となりました。あまりの人気の高さから、見返り美人を貼って手紙を出しても、途中で剥がされて盗まれてしまい、手紙が届かないということまで起こったそうです。

日本のみならず、世界中で人気の高い切手であることから、1991年の切手趣味週間では、復刻版の見返り美人が発行されたりもしました。現在の買取相場は1枚3000円〜5000円で、シートでキレイに保管されているものに関しては、20000円前後の価格で買い取ってもらえる場合もあります。

3-3.1949年 歌川広重「月に雁」

見返り美人と人気を二分する切手趣味週間で発行された切手が、月に雁です。前年に発売された見返り美人の大ヒットを受けて発売された切手で、見返り美人と同様のサイズで作られました。

絵柄も、江戸時代を代表し、世界的な評価も高い、歌川広重の月に雁を採用し、これも世界中で高い評価を得る切手となりました。切手ブームが起こった際に、かなり高値で取引されたそうで、当時、大学卒業の新卒の初任給が20000円〜30000円という時代に、シートで60000円ほどの価値がついたこともあったそうです。

現在でも、1枚2000円〜5000円で取引されており、シートでキレイに保管されているものであれば、15000円前後で買い取ってもらえる可能性もあります。

3-4.1954年 法隆寺観音菩薩像

発行部数が少なく、プレミアがついていることで知られている切手が、法隆寺観音菩薩像の絵柄が描かれた切手です。1954年の切手趣味週間で発行された、比較的古い切手であることはもちろんですが、現在価値が高意図されているのは、やっぱりその発行枚数の少なさによるものです。

見返り美人が150万枚、月に雁が200万枚発行されたのに対し、法隆寺観音菩薩像は約11万枚しか発行されませんでした。結果として、現在も希少価値が高い切手としラれており、シート1枚の価格で保存状態が良いものであれば、20000円前後で買い取ってもらえる可能性があります。

3-5.1955年 喜多川歌麿「ビードロを吹く娘」

再度、浮世絵が描かれた切手のビードロを吹く娘。江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿の作品です。

前年の法隆寺観音菩薩像よりかなり多い550万枚も発行されたことから、現在でも持っている人は比較的多い切手趣味週間で発行された切手の1つと言われています。額面10円のものが、現在は100円で取引されているケースが多いようです。

3-6.1956年 東洲斎写楽「市川蝦蔵」

東洲斎写楽の浮世絵「市川蝦蔵」が描かれた作品。同じ「エビ」でも、現在の海老蔵絵はなく「同じエビでも雑魚エビの蝦」と本人が父に遠慮して名乗った名前です。

後に、蝦蔵も四代目市川海老蔵を名乗ったのは余談です。この切手も、前年と同様に550万枚が発行されており、そこまで希少価値は高くありません。

しかし、絵柄に描かれた蝦蔵の人気や伝統芸能を模したものであることもあり、額面10円に対して、1枚150円程度の買取価格が見込まれています。

3-7.1957年 鈴木春信「まりつき」

こちらも、江戸時代の浮世絵を採用した切手趣味週間に発行された切手です。1957年は、切手ブームの絶頂期を迎えており、なんと850万枚もの枚数が発行され、買い求める人がその分多く存在しました。

結果として、現在でも持っている人が多く、現在は1枚80円程度の買取価格相場となっています。

3-8.1958年 鳥居清長「雨中湯帰り」

まだまだ切手ブームが継続している切手趣味週間に発行された絵柄です。前年を大幅に超える2500万枚が発行されたこの切手ですが、需要に対して供給が多すぎる現象はこの頃から始まるようになりました。

結果として、現在の買取価格は額面10円に対して、高くても30円程度となっています。60年前に発行されたものであっても、3倍程度の価値しか付かなくなってしまっています。

3-9.1959年 細田栄之「浮世源氏八景」

上流階級の文化である、和歌を詠む絵柄が描かれている切手で、美人画を得意とする細田栄之の作品を切手として発売された絵柄です。こちらも、前年と同じくらいの枚数が発行されており、現在の買取価格も30円程度となっています。

3-10.1960年 三十六歌仙絵巻「伊勢」

1960年の切手趣味週間では、法隆寺観音菩薩像以来、浮世絵以外の絵が採用されました。鎌倉時代に発行された絵巻として知られる「佐竹本三十六歌仙絵巻」の中に描かれている、伊勢姫の絵柄が採用された切手となりました。

切手ブームが下火になってきたこともあり、発行枚数が若干減ったので、現在は1枚50円程度の価格で買い取ってもらえることができるでしょう。

まとめ

切手趣味週間に発売された切手と、現在の相場価格などをご紹介しました。切手趣味週間は、切手の絵柄の美しさなどを伝えるためにスタートされ、第二弾で発行された見返り美人、第三弾の月に雁が一躍ブームとなり、切手ブームの火付け役となりました。

これらの切手は、現在でもプレミア価格で買い取ってもらえる可能性があります。一方、切手ブーム真っ只中で発行された切手は、発行枚数が多いこともあり、現在は額面の3倍程度の買取価格となっています。

今回紹介した時期の切手趣味週間で発行された切手は、額面以上の金額で買い取ってもらえる可能性がある切手となっています。ぜひ一度、査定してもらってはいかがでしょうか?予想外の金額で買い取ってもらえるかもしれませんよ?

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